*グリウル
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/
つ/月の下

side*6

三日月の細い光の中を影が横切っていく。尖らせた探査神経を掻い潜るように接近するそれは、何の事はない、最も馴染み深い存在だ。「正面から来りゃア良いじゃねえか」風と共に絡む白い腕に柔く牙を立てる。「掛かった振りくらいしたらどうだ」皮肉めいた言葉さえ、戯れ合いの切っ掛けに過ぎないのだ。畳む


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