俺を殺して
夜ごと向かい合った孔のない胸元に指を滑らせる時、何とも形容しがたい快感と、とある衝動が溢れ出す。その動きを、切れ長の眼が静かに追っていることにごく最近気が付いた。何もかも白日の下に晒されたような気分になるのは、きっとお前が澄んだ青空のような色をしているからだ。お前は全て理解っているのだろう。そうであるならばその眩しさをもって、何もない俺の夜を一緒に掻き消してくれたなら、どんなに楽になれるだろう。
(然るべき瞬間にはきっとお前の手で)
俺を殺して
同じ場所に孔を開けたい、知っていて開けられても構わない両想い