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*グリウル
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
ま/魔物
side*4
第二階層を見るなり、まるで魔物だと奴が云う。「魔法でも使えるんじゃねえか?」「生憎そんな能力は持たんな」どうも視線が合うだけで心臓を掴まれたような感覚に陥るらしい。態と見つめ返してやると、耳まで真っ赤に染めて硬直する様が癖になる。ここは魔物らしく、その精気を寄越せと囁いてやった。畳む
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
ま/魔物
side*4
第二階層を見るなり、まるで魔物だと奴が云う。「魔法でも使えるんじゃねえか?」「生憎そんな能力は持たんな」どうも視線が合うだけで心臓を掴まれたような感覚に陥るらしい。態と見つめ返してやると、耳まで真っ赤に染めて硬直する様が癖になる。ここは魔物らしく、その精気を寄越せと囁いてやった。畳む
*グリウル
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
ほ/炎
side*6
燭台の炎をぼんやりと眺めていた。溶け落ちた蝋で台座が白く染まりゆく様は、奴の肌を思い出さずにはいられない。「楽しいのか?」「いいや」炎の揺らめきに暗示でも掛けられたのか、ただその指が恋しくなると答えてしまう。真逆の体温が頬を冷やすが、醒めた脳が確信したのは安らぎに他ならなかった。畳む
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
ほ/炎
side*6
燭台の炎をぼんやりと眺めていた。溶け落ちた蝋で台座が白く染まりゆく様は、奴の肌を思い出さずにはいられない。「楽しいのか?」「いいや」炎の揺らめきに暗示でも掛けられたのか、ただその指が恋しくなると答えてしまう。真逆の体温が頬を冷やすが、醒めた脳が確信したのは安らぎに他ならなかった。畳む
*グリウル
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
へ/ヘロイン
side*4
人の姿を保つばかりに、人間に近しい感覚が呼び起こされてしまった。肌を重ねる事で奴の少し高い体温を知った。破壊するだけではない掌の感触はいつでもありありと思い出す事が出来る。臓器を直接触れ合わせる行為は繰り返す毎に中毒性を高める。しかし、得たものは麻薬とは程遠い現実の多幸感だった。畳む
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
へ/ヘロイン
side*4
人の姿を保つばかりに、人間に近しい感覚が呼び起こされてしまった。肌を重ねる事で奴の少し高い体温を知った。破壊するだけではない掌の感触はいつでもありありと思い出す事が出来る。臓器を直接触れ合わせる行為は繰り返す毎に中毒性を高める。しかし、得たものは麻薬とは程遠い現実の多幸感だった。畳む
*グリウル
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
対になりそうな流れを思いついたので追記
ひ/媚薬
side*4
口移しで分けた錠剤を噛み砕くと、それは胃へ辿り着くより先の粘膜から吸収される。舌下が痺れ、喉は甘ったるく渇き、やがて神経を這い回るように発熱を促した。気怠く霞のかかった脳が判別できるのは蒼い獣の存在だけである。とうとう視線が噛み合ってしまった。攻撃的な色欲とは、春の嵐に相応しい。畳む
ふ/震えた声
side*6
やけに効きの早い薬だ。震えた声が俺の名を呼ぶだけで、それは鼓膜から脳まで甘く反響し目眩を引き起こす。奴を貪る事しか考えられなくなった頃、碧の視線が最後の箍を破壊した。引き摺り出された本能が急所を狙うよう仕向けてくる。邪魔な袴を一息に剥いだなら、馨る源も溢れる色欲も全て俺のものだ。畳む
『恋愛五十音のお題』
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対になりそうな流れを思いついたので追記
ひ/媚薬
side*4
口移しで分けた錠剤を噛み砕くと、それは胃へ辿り着くより先の粘膜から吸収される。舌下が痺れ、喉は甘ったるく渇き、やがて神経を這い回るように発熱を促した。気怠く霞のかかった脳が判別できるのは蒼い獣の存在だけである。とうとう視線が噛み合ってしまった。攻撃的な色欲とは、春の嵐に相応しい。畳む
ふ/震えた声
side*6
やけに効きの早い薬だ。震えた声が俺の名を呼ぶだけで、それは鼓膜から脳まで甘く反響し目眩を引き起こす。奴を貪る事しか考えられなくなった頃、碧の視線が最後の箍を破壊した。引き摺り出された本能が急所を狙うよう仕向けてくる。邪魔な袴を一息に剥いだなら、馨る源も溢れる色欲も全て俺のものだ。畳む
*グリウル
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
は/花びら
林檎の花かわいい
side*6
奴が淹れた紅茶の傍に、その肌と同じ色の花弁が添えられている。「藍染様が茶葉と併せてお取り寄せになったそうだ」出所はいけ好かないものの甘酸っぱい香と魅惑的な花色に罪はない。「知ってるような匂いだが、思い出せねえ」仄かに血の気を巡らせた唇が答えた名は、そっくりに色付く罪の果実だった。畳む
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
は/花びら
林檎の花かわいい
side*6
奴が淹れた紅茶の傍に、その肌と同じ色の花弁が添えられている。「藍染様が茶葉と併せてお取り寄せになったそうだ」出所はいけ好かないものの甘酸っぱい香と魅惑的な花色に罪はない。「知ってるような匂いだが、思い出せねえ」仄かに血の気を巡らせた唇が答えた名は、そっくりに色付く罪の果実だった。畳む
*グリウル
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
の/ノーカウント
side*4
一度目は掌で、二度目は口腔へ、三度目は腹の上にて、浴びるように濁り酒を愉しむが、それはまだ閨事の序の口だ。「勿論こんなものは数に入らん」取って置きの珍しい名酒を味わう為には須く段階を踏むものである。お預けを食らい続けた末に今にも暴れ出しそうな肉食獣を、そろそろ庭の奥へ誘う時間だ。畳む
『恋愛五十音のお題』
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の/ノーカウント
side*4
一度目は掌で、二度目は口腔へ、三度目は腹の上にて、浴びるように濁り酒を愉しむが、それはまだ閨事の序の口だ。「勿論こんなものは数に入らん」取って置きの珍しい名酒を味わう為には須く段階を踏むものである。お預けを食らい続けた末に今にも暴れ出しそうな肉食獣を、そろそろ庭の奥へ誘う時間だ。畳む
*グリウル
『恋愛五十音のお題』
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ね/熱視線
side*6
その瞳に見つめられると、脈拍が速まりそわそわと落ち着かなくなってしまう。しかし奴はそんな俺の挙動が興味深いらしく、純粋に眺めていただけだと云う。それでも、格好がつかないからといって見るなと返すのも本意ではない。面映ゆさを誤魔化すべく早足で距離を詰め、碧を隠すように目蓋へ口付けた。畳む
『恋愛五十音のお題』
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ね/熱視線
side*6
その瞳に見つめられると、脈拍が速まりそわそわと落ち着かなくなってしまう。しかし奴はそんな俺の挙動が興味深いらしく、純粋に眺めていただけだと云う。それでも、格好がつかないからといって見るなと返すのも本意ではない。面映ゆさを誤魔化すべく早足で距離を詰め、碧を隠すように目蓋へ口付けた。畳む
*グリウル
『恋愛五十音のお題』
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お花見の季節と摘み食い
対になる感じ
に/ニアミス
side*6
盲目の統括官が拵えていた花見団子を三本ほど掻っ払ったのは俺だ。思わず身を隠したが、それを知ってか知らずか丁度クアトロが統括官を呼び止めた。「ハリベルから譲り受けたものですが、此方で宜しければ」「おお、それなら間に合うな」胸を撫で下ろしつつも、奴へ借りを返す算段をつけねばならない。畳む
ぬ/盗まれたもの
side*4
虚夜宮の同胞達に振舞う予定の団子が数本盗まれたと統括官がお怒りだ。空色の毛先を回廊の奥に見留めたが、大方そういう事だろう。季節の催しには大抵、協力的な者がいくらか存在する。トレスの十刃から仰いだ裾分けを持ち、鉢合わせぬよう先回った。奴が後にどのような面を下げて現れるか見物である。畳む
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お花見の季節と摘み食い
対になる感じ
に/ニアミス
side*6
盲目の統括官が拵えていた花見団子を三本ほど掻っ払ったのは俺だ。思わず身を隠したが、それを知ってか知らずか丁度クアトロが統括官を呼び止めた。「ハリベルから譲り受けたものですが、此方で宜しければ」「おお、それなら間に合うな」胸を撫で下ろしつつも、奴へ借りを返す算段をつけねばならない。畳む
ぬ/盗まれたもの
side*4
虚夜宮の同胞達に振舞う予定の団子が数本盗まれたと統括官がお怒りだ。空色の毛先を回廊の奥に見留めたが、大方そういう事だろう。季節の催しには大抵、協力的な者がいくらか存在する。トレスの十刃から仰いだ裾分けを持ち、鉢合わせぬよう先回った。奴が後にどのような面を下げて現れるか見物である。畳む
*グリウル
『恋愛五十音のお題』
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な/何が欲しい?
side*4
意地悪く犬歯を見せながら、何が欲しいかと奴が問う。「お前の孔が一つ増えるが、それでも構わんのか?」僅かな霊圧を纏わせた人差し指で胸元を突いてやると、戯れの挑発は相殺されたらしい。「てめえにゃ通じねえな」背筋が凍ったと笑う唇が喉笛を食む。次は温めてやるべく、その背に両腕を絡めた。畳む
『恋愛五十音のお題』
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な/何が欲しい?
side*4
意地悪く犬歯を見せながら、何が欲しいかと奴が問う。「お前の孔が一つ増えるが、それでも構わんのか?」僅かな霊圧を纏わせた人差し指で胸元を突いてやると、戯れの挑発は相殺されたらしい。「てめえにゃ通じねえな」背筋が凍ったと笑う唇が喉笛を食む。次は温めてやるべく、その背に両腕を絡めた。畳む
『恋愛五十音のお題』
(創作者さんに50未満のお題 様 http://box.usamimi.info/)
み/魅惑
side*6
白く長い衣が夜風に靡いている。裾から垣間見える羽毛を蓄えた足首は一際魅惑的で、つい足元ばかりを気にしていた。その視線は疾うに気付かれていたのだろう。淑やかな姫君は俺を少年のようだと揶揄いながら、衣を摘み上げて距離を詰める。間近の碧と小鳥の口付けが、卑しい下心を瞬く間に改めさせた。畳む